―先日、実家(鯖江)に帰ってたとき、隣のおばあちゃんが言っていました。
「何もしなくていいよ。今までいっぱい働いたんだから、これからはゆっくり休んだらいいよ」

現在、実家の母は、介護が必要な状態で、時々助っ人として様子を見に行っています。今回も、妻子を連れて行っていました。

母は、右手足と言語に障害があるため、自由に動き、話すことができず、食事やトイレも介助がないと無理な状態です。普段は父が面倒を見ていますが、四六時中一緒に居るわけにはいかないので、父が居ない時は、ぼーっとテレビを見たり、昼寝したりして過ごしています。

私が母に会いに行くときは、時間があるので、なるべく話し掛けたり、雑誌や新聞を見せたり、玄関先で鉢植えを見せたり、歩く練習をさせたりとあれこれやっています。
しかし、母は言葉が思うように出ず、表情の変化も乏しいので、なかなか反応が伝わって来なくて、いつももどかしい思いをしています。
何か興味を引くものを、、、編み物、草花の世話、はたまた知恵の輪などと考えてみても、実際やるとなると難しいものがあります。

そんな時、隣のおばあちゃんがふらりと来て、
「お母さんはいいよねえ。何もしなくても、お父さんがちゃんと世話をして、食事も食べさせてもらえるんだし。車椅子で楽に動けるし。今までいっぱい働いたんだから、これからはゆっくり休んだらいいよ。お兄ちゃんらも、大きな赤ちゃんがいると思ったらいいんだから。赤ちゃんと違って、あちこち行ってしまわないからいいよ」
と言って帰っていきました。

最初聞いたときは驚きましたが、そうか、こういう考え方もあるんだなと思いました。おばあちゃんは昔の人、しかも田舎の人なので、現在の世間一般の人からすると、とんでもない考え方かもしれません。
しかし、体が不自由→リハビリをがんばる→生きがいを見つけて社会復帰と考えがちだけど、そうじゃない生き方もあるのかもしれないなと思いました。

本当は、母がどう思っているかちゃんと聞きたいんだが、意思疎通がうまくいかない現状では無理です。
なので、これからゆっくりと、母がどうしたいのか、どう思っているのか、何かの声が聞こえてくるまで待とうかなと思います。あせらず、ゆっくりと。